大学無償化(高等教育の修学支援新制度)は、世帯の所得や家族構成などによって対象となる支援が異なります。
一般的な世帯では所得に応じた支援区分が設けられており、年収だけで対象かどうかを確定することはできません。
一方、扶養する子どもが3人以上などの条件を満たす多子世帯は、所得制限なしで授業料・入学金の減免を受けられる制度があります。ただし、減免には上限があり、学校の費用がすべて無料になるとは限りません。
この記事では、大学無償化の年収目安、支援区分、多子世帯の条件を整理し、支援額を確認する方法を解説します。
この記事で押さえる点
対象は支援区分で決まる。年収はその目安のひとつ
正式には課税所得や世帯構成などから区分(第Ⅰ〜第Ⅳなど)が決まります。給与年収の目安は入口にはなりますが、確定ではありません。
減免と給付はセットで見つつ、額の出方は違う
いわゆる無償化の中心は授業料・入学金の減免。あわせて給付奨学金が出る区分もあります。区分が薄いと減免だけ・給付が小さい、といった差が出ます。
多子世帯は減免側に別枠がある
扶養する子が3人以上などの多子世帯は、所得制限なく授業料等を上限まで減免できる枠があります(令和7年度以降)。給付の有無は所得区分によります。
大学無償化は年収いくらまで?所得制限の目安
検索では「年収600万まで対象?」「いくらまで無償?」といった聞き方が多くなります。実務上は給与年収の目安表は参考になりますが、正式判定はJASSO・学校側の所得・資産・扶養の条件に基づきます。
下表は、当サイトの大学シミュレーターが参照している収入上限目安(JASSO公開表の簡略)のうち、ふたり親・給与世帯の例です。共働きの合算、自営業、ひとり親、資産要件などで結果は変わります。年収○万円なら必ず対象、とは断定できません。
| 支援区分 | 年収目安(扶養1人) | 年収目安(扶養2人) | 支援のイメージ |
|---|---|---|---|
| 第Ⅰ区分 | おおむね〜220万円 | おおむね〜295万円 | 減免・給付が厚い帯 |
| 第Ⅱ区分 | おおむね〜300万円 | おおむね〜395万円 | 減免・給付あり |
| 第Ⅲ区分 | おおむね〜380万円 | おおむね〜461万円 | 減免・給付あり(第Ⅰより薄い) |
| 第Ⅳ区分 | おおむね〜640万円 | おおむね〜698万円 | 減免中心。給付は条件により薄い/0円もあり |
| 多子世帯(扶養3人以上など) | 減免は所得制限なし(上限あり) | 減免は所得制限なし(上限あり) | 給付の有無・額は所得区分による |
| 上記を超える場合 | 原則として通常区分の対象外 | 原則として通常区分の対象外 | 多子の減免や個別制度を確認 |
扶養人数は進学する本人を含みます。ひとり親世帯や事業所得が主の世帯は上限の並びが変わるため、公式の進学資金シミュレーターや窓口確認を優先してください。
大学無償化の第Ⅰ〜第Ⅳ区分とは?
支援区分は、所得などに応じて支援の厚さを分ける仕組みです。区分が厚いほど、授業料・入学金の減免割合(または上限までの満額に近い支援)と、給付奨学金の月額・年額が大きくなりやすい、というイメージです。
区分が薄い側では、減免の割合が下がったり、給付が小さくなったり、第Ⅳでは給付が0円になることもあります。国公私・自宅か自宅外か・大学か専門学校かでも上限と給付額が変わります。
区分がすでに分かっている場合は、シミュレーターでその区分を選ぶのが最も正確です。分からない場合は、世帯年収の目安と扶養する子の数から区分を推定します。推定は粗い対応であり、正式な可否ではありません。
年収600万円・800万円でも対象になる?
年収600万円台は、ふたり親・給与世帯で扶養人数によっては第Ⅳ区分の目安帯に入ることがあります。一方で、扶養1人のふたり親・給与世帯では第Ⅳの上限目安がおおむね640万円前後のため、境界付近では区分がずれやすいです。
年収800万円前後は、通常の第Ⅰ〜第Ⅳの収入上限目安を超えることが多く、多子世帯でなければ原則としてこの制度の対象外になりやすい帯です。
ただし多子世帯(扶養する子が3人以上など)は、所得制限なしで授業料・入学金の減免を受けられる枠があります。年収が高くても「減免側は上限まで」になり得ますが、給付奨学金まで満額とは限りません。
多子世帯は所得制限なしで大学無償化の対象?
令和7年度以降、扶養する子が3人以上などの多子世帯は、所得制限なく授業料・入学金を制度上の上限まで減免できる枠があります。ここだけ見ると「年収が高くても無償化」と聞こえやすいです。
一方、給付奨学金の支給や額は所得区分の影響を受けます。減免が満額寄りでも、給付は出ない・小さい、ということがあり得ます。上限を超える授業料や、施設費・諸経費・生活費のすべてがゼロになるわけでもありません。
多子枠の詳細は、大学無償化は子ども3人以上が対象?で整理しています。
授業料・入学金の減免と給付奨学金の違い
いわゆる大学無償化の中心は、授業料・入学金の減免です。学校への請求を軽くする支援で、上限までの範囲で自己負担が減ります。
給付奨学金は、生活費などに充てる返還不要の支援です。減免とあわせて出る区分もありますが、第Ⅳや多子の一部では減免だけで給付が0円になることもあります。
両者の整理は、大学の給付奨学金と授業料減免の違い|併用・支援額もあわせてご覧ください。
年収から支援額の目安をシミュレーション
大学シミュレーターで進学先・国公私・通学を選び、区分が分かれば区分を、分からなければ年収と扶養人数を入れます。授業料(と任意で入学金)を入れて実行すると、授業料・入学金の減免額、給付奨学金の目安、減免後の学費の自己負担額をそれぞれ確認できます。
支援合計には減免と給付奨学金(年額)が含まれますが、学費の自己負担は減免後の残額であり、給付奨学金を差し引いた額ではありません。正式な区分・支給額・申請はJASSOおよび在学校(進学先)の案内が優先です。
年収または区分から、大学の支援目安を試算
大学シミュレーターでは、授業料・入学金の減免額、給付奨学金の目安、減免後の学費の自己負担額をそれぞれ確認できます。
主な出典
都道府県独自制度は年度・制度ごとに要件が変わります。正式な可否は学校および都道府県の案内が優先です。