高校授業料の無償化が進んでも、高校生活にかかる費用がすべて無料になるわけではありません。

国や都道府県の支援は主に授業料を対象としており、支援上限を超える授業料や、入学金・施設費・教材費・制服代・通学費などは自己負担が残る場合があります。

この記事では、高校無償化の対象になる費用・ならない費用を比較表で整理し、自己負担額の計算例と、支援額をシミュレーションする方法を紹介します。

この記事で押さえる点

授業料は上限まで支援。超過分は自己負担

国の就学支援金や都道府県の上乗せには上限があります。私立などで実授業料が上限を超えると、差額は世帯負担になります。

入学金・施設費は県制度しだい

補助がある県・ない県があり、あっても所得区分や上限があります。「無償化=入学金もゼロ」とは限りません。

教材・制服・通学費は原則別枠

条件を満たせば奨学給付金の対象になり得ますが、全員ではありません。制服や通学定期は多くの場合、別途かかります。

高校無償化で無料になる費用・ならない費用

いわゆる高校無償化の中心は、授業料への支援です。支援金は多くの場合、学校経由で授業料に充当され、保護者の口座に同額が振り込まれて自由に使える、という意味ではありません。自己負担は「学校請求−支援充当後に残る額」で考えると誤解が減ります。

費用項目無償化・支援の対象自己負担
授業料国の就学支援金+(ある場合)都道府県の上乗せ上限を超えた分など
入学金自治体によって補助あり補助がなければ原則負担
施設費一部自治体で補助あり原則負担
教材費・学用品費奨学給付金などの対象になり得る支援対象外の分
制服・体操着一部支援制度あり原則負担
通学費一部支援制度あり原則負担
修学旅行費条件付きの支援がある場合あり原則負担

公立は授業料が低く見えやすく、私立は上限超過や入学金・施設費が残りやすい、というのが典型です。

所得で変わる部分の整理は、高校無償化に所得制限はある?もあわせてご覧ください。

授業料の自己負担はいつ発生する?

国の就学支援金には学校の種類・課程に応じた上限があり、都道府県の上乗せがある場合も上限の考え方が入ります。公開されている上限までが授業料支援の目安で、それを超える分は自己負担になり得ます。

次の表は、制度上限や学校の実際の金額ではなく、計算方法を示すための仮定です。国の就学支援金の上限例として、私立高校・全日制などで使われることが多い年額457,200円を置いています(年度・課程で確認してください)。

項目金額(仮定)
年間授業料600,000円
授業料への支援額(国の上限の例)457,200円
授業料の自己負担142,800円
入学金・施設費など都道府県・学校により別途

実際の支援額は、年度・都道府県・学校種別・対象条件によって異なります。都道府県が授業料に上乗せする場合、上記より自己負担が小さくなることもあります。公立で実授業料が国の支援枠内に収まるケースでは、授業料の自己負担がほぼ出ないこともあります。

文部科学省の「子供の学習費調査」などにある公立・私立の年間教育費は、授業料以外も含んだ統計上の総額です。授業料支援を差し引いた自己負担額とは別物なので、混同しないようにしてください。

入学金や施設費も無償化の対象になる?

入学金や施設整備費・施設費等納付金は、都道府県が補助する場合と、ほぼ対象外の場合があります。補助がある県でも所得区分や課程ごとの上限があり、「全員ゼロ」にはなりません。

愛知のように入学納付金が所得制限なしで上限付き、という県もあれば、神奈川・埼玉のように所得で額が変わる県、兵庫のように低所得の新入生向け入学金支援など、型が分かれます。お住まいの都道府県解説と、シミュレーターの入学金・施設入力がこの差を見る入口です。

県外の学校に通う場合は、保護者の住所地と学校所在地のどちらの制度を見るかもポイントです。県外の高校でも授業料無償化は対象?で整理しています。

教材費・制服代・通学費はいくらかかる?

教科書・教材・学用品などは、条件を満たす世帯向けに高校生等奨学給付金があります。就学支援金とは別制度で、所得要件があります。制服・体操着、通学定期、部活動、修学旅行積立などは、原則として各家庭・学校の扱いです。

「無償化なのにこんなに請求が来る」と感じるときは、請求明細の費目が授業料なのか、入学金・施設なのか、その他なのかを分けると、どの制度を見ればよいかがはっきりします。

授業料以外への支援の位置づけは、就学支援金と奨学給付金の違いもあわせてご覧ください。

高校の自己負担額をシミュレーションする方法

高校シミュレーターで都道府県・学校種・課程・授業料を入れ、必要なら入学金・施設費と世帯区分を追加します。結果の「自己負担」は、支援を差し引いたあとに残りやすい額の目安です。

表示にない制服や通学費は別途見積もりが必要です。正式な請求・支給は在学校と都道府県の案内が優先です。

授業料以外も含めた自己負担の目安を試算

高校シミュレーターで、授業料・入学金・施設の残り負担をまとめて確認できます。

高校の学費支援金をシミュレーションする

主な出典

都道府県独自制度は年度・制度ごとに要件が変わります。正式な可否は学校および都道府県の案内が優先です。